昨日、散歩の途中にとても綺麗な花を見つけたので、何という花か調べてみたら芙蓉だとわかりました。ピンクの大輪の花で1日花のようですが、毎日次々と花を咲かせています。ネットで検索したら酔芙蓉と言う花もあったので、芙蓉と酔芙蓉の違いや、酔芙蓉の花の色が変わるメカニズムについて調べてみました。
目次
芙蓉ってどんな花?
芙蓉の花期は8月~9月ですが、暖地では10月になっても、毎日たくさんの花を咲かせます。
花径10~15㎝程の、大きくて綺麗な花を咲かせます。

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花びらは5枚で、花の中心は、多数の雄しべが筒状になっており、その先端部分に雌しべがあります。
花はムクゲによく似ていますが、芙蓉の雌しべは上向きに曲がっており、ムクゲの雌しべはほぼ真っ直ぐになっています。
花色はピンクや白で、朝咲いて夕方には萎む一日花ですが、花期の間次々と途切れることなく開花します。
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耐暑性が高く、丈夫な性質で育てやすい樹木です。
耐寒性はあまり高くありませんが、関東以西の暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
酔芙蓉ってどんな花?
八重咲きで、花色が変化する美しい芙蓉です。

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朝咲き始めに白かった花が、時間の経過と共に、酒に酔ったようにピンクへと咲き進んでいきます。
スイフヨウ(酔芙蓉)の名前は、この性質に由来しています。
朝は白で夕方にはピンクなんて不思議ですが、2度楽しめていいですね
花の色が変化するメカニズム
酔芙蓉の花が赤く染まるのは、アントシアニンという色素の働きが影響しています。
アントシアニンは酔芙蓉に限らず、植物の果実や花、赤い色をしたものに含まれる色素です。
アントシアニンは、紫外線により合成が促進されます。
紫外線は植物にとっても有害で、紫外線に当たると体の中に活性酸素が作られます。
活性酸素は生体にダメージを与えますが、植物の持っている緑色の色素、クロロフィルなどが抗酸化作用で、そのダメージから体を守っています。
でも花には十分な葉緑素がないので、葉緑素と同じように抗酸化作用のある、アントシアニンを合成して、紫外線のダメージから体を守っているのです。
凄いですね、人間だけでなく植物や花にもこんな力があったなんて…
これって自己防衛力ですよね
酔芙蓉の花が時間と共に、赤く染まっていくのは、自分の身体を守る為なんですね。
花は、紫外線に当たらなければ、赤く染まりません。

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なのでアルミホイルなどを被せて、太陽の光が当たらないようにすると、花は白いまま、もしくは赤が控えめになります。
※酸度の関係で赤くなる場合もあります。
これもおもしろいですが、自然に任せましょう
夏に咲く花や、赤道直下に生育する植物に、鮮やかな赤が多いのは、アントシアニンの影響です。
そう言われてみれば、南国の花ハイビスカスも真っ赤ですよね~
芙蓉の肥料
元肥として、完熟堆肥や腐葉土を土に漉き込んでおきます。
追肥は落葉期の12月~1月の間に、寒肥として固形の油粕などの有機肥料を株元に施します。
また、7月~9月に緩効性化成肥料を少量与えると、花付きが良くなります。

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芙蓉の植え付け
適期は3月下旬から5月上旬です。

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根鉢より一回り大きな植穴を掘り、用土に腐葉土や完熟堆肥をたっぷりと、混ぜ込んで植え付けて下さい。
植え付けた後はしっかりと水やりをし、根鉢と土を馴染ませます。
芙蓉の剪定
適期は落葉期の2月~3月です。
芙蓉の花芽は春に伸びた枝に作られます。
萌芽力が強いので強剪定も可能です。

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放っておくと年々大きく成長するので、あまり大きくしたくなければ、かなり短くします。
あまり切りたくない場合は、全体の樹形を見て、込み合っている枝や、重なり合ってる枝などを、基部から切り取り株の中まで、日が当たるようにします。
剪定することで花付きが格段に良くなります。
※冬に枝が枯れこむような、寒い地域の場合は、12月頃に20㎝程度の高さで、バッサリと切り戻します。
芙蓉の挿し木での増やし方
適期は3月~4月ですが、5月~6月、9月~10月にも行うことが出来ます。
3月~4月は芽が出る前の前年枝を使い、5月~6月、9月~10月の場合は、その年の伸びた枝を使って挿し木を行います。
方法は2、3節分のさし穂を用意して、一番下の節の葉を取り水揚げし、葉の取った節が用土に埋まるように挿します。
秋に青い葉のついた1年枝を元から切り、それを冬の間、土に埋めて越冬させ、春の3月から4月頃に水揚げして挿す方法もあります。
枝を15~20㎝程度の長さに切り取って、先端の葉を4~6枚程度残して水揚げをします。

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挿し木用土に挿して、水を切らさないように、明るい日陰で管理して発根を待ちます。
通常は約一カ月程度で発根します。
芙蓉の害虫
フタトガリコヤガ
アオイ科の植物に発生しやすい毛虫で、毒はありませんが、葉を食害し美観が損なわれます。
見付け次第、駆除して下さい。

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ハマキムシ
葉を綴り合せ、中に潜んで食害します。
被害が拡大しやすい害虫なので、発生したら速やかに駆除します。
捕殺するか、オルトラン乳剤などで防除して下さい。
カミキリムシ
株元におがくずのようなものが、落ちていたら幹の中に、カミキリムシの幼虫が潜んでいます。
放っておくと株が枯れてしまうので、早目に駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで補殺します。
薬剤の場合は、駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。

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害虫対策は早目の、薬剤散布で予防するのが一番ですね
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
