2019年7月9日、兵庫県宝塚市美座2の市立美座小学校で、栽培したジャガイモを食べた5年生13人が、体調不良を訴えて救急搬送されました。児童の症状などからジャガイモによる、食中毒である事がわかりました。全国で2006年と2009年にも同様の食中毒が起きてます。今回はジャガイモの食中毒について調べてみました。
小学校でジャガイモの食中毒発生
そろそろ梅雨の時期も終盤に入り、いよいよ暑い夏がやってきます。
6月~9月の湿度・温度の高い時期は、細菌が増えやすいので、細菌性の食中毒に注意が必要です。
この時期は毎年の様に全国の小学校で、栽培したジャガイモを食べた児童が食中毒になったと言うニュースが後をたたず、2019年7月9日に宝塚市の、小学校の児童13人が、校内の畑で採れたジャガイモと、いんげん豆を食べ、食中毒とみられる症状を訴えたという事です。
学校などによると、13人のうち8人が入院しました。
宝塚市教育委員会・橘俊一学校教育部長「入院している8人についても、未入院の5人についても、症状は安定して、快方に向かっていると聞いている」という事です。
今回、宝塚市の小学校では、朝収穫したばかりのジャガイモを、使用していたという事です。
農林水産省は、日光だけでなく、蛍光灯の光が当たった状態で保管していても、天然毒素は増えると注意を呼びかけています。
楽しく収穫した後でこんな事になり、気の毒ですが幸い大事に至らなくてよかったですね
ジャガイモの食中毒の原因と症状
日本で最も中毒患者数が、多い植物といえば、圧倒的に「ジャガイモ」です。

出典元:暮らしーの
意外と感じるかもしれませんが、ジャガイモは、「ソラニン」「チャコニン」という成分を合成して、嘔吐、腹痛、下痢、めまいを起こさせます。
特に収穫されたとき、つまり地表に出たとたん、ソラニンなどの合成が始まります。
「新芽の部分が危険」ということは、よく知られていますが、その周辺も大変危険なんです。
出典元:ウェザーニュース
「皮がミドリ色に変色してきたら危険」とも言われますが、ジャガイモの品種によっては、外側からだけだと判断出来ないので、中も切って確認しましょう。
中の方まで、ミドリ色になっている場合は、こちらも危険です。

出典元:livedoor Blog
加熱調理をしても腹痛や、下痢などの症状を引き起こすこともあります。
実は私もつい数日前に、食中毒になり腹痛で苦しみました!
その時は、原因は特定できなかったのですが、今思い返せばあの日小さなジャガイモで、シチューを作り食べました。
私の場合は、差し込む様な腹痛と、吐き気、微熱に襲われました。
症状は、吐き気だけで、嘔吐はなかったのですが、水溶性の下痢を伴いました。
その後は整腸剤や痛み止めで、何とか腹痛はやわらぎましたが、水分補給だけで食べてないので、足に力が入らず、やむなく仕事を休む羽目になってしまいました。
回復するのに、3日はかかりましたので、あなたもご注意下さいね
ジャガイモは火を通しても危険
ジャガイモの「ソラニン」や「チャコニン」は、茹でたり多少焼いたりしただけでは、分解されません。
今回も宝塚の小学校で、ジャガイモによる食中毒が発生してしまいましたが、2006年には東京都の小学校で、75名の児童と教員2名が食中毒を起こしました。
校内で栽培したものを、調理員が皮つきの「茹でジャガイモ」にしたところ、腹痛、吐き気、喉の痛みなどを訴えましたが、幸い、すべての児童が軽症で済みました。
また2009年には、奈良県の小学校で、35名が中毒を起こしましたが、この学校では炒めて食べています。
幸い、重症にはなりませんでしたが、ジャガイモには、昏睡や幻覚症状を引き起こすほど、強烈な神経毒性があるので、十分な注意が必要です。
採れたての新鮮なジャガイモで、食中毒なんて信じがたいですが、本当に怖いですね
ジャガイモの食中毒を避ける対策は?
ジャカイモの中毒を避けるポイントは、有毒成分をできるだけ作らせないようにすることです。
(1)栽培しているとき、ジャガイモが土から顔を出していたら、土をしっかり被せましょう。
(2)芽の部分やミドリ色になっている皮は、周辺を含めしっかり取り除きましょう。
(3)明らかに小さなイモは、決して食べないようにしましょう。
(4)保管する場合は、太陽や電灯の光に当てないようにしましょう。
特に注意するのは、ソラニンなどが多く含まれる傾向がある「小さなイモは食用にしない」という点です。

出典元:Green Snap
また、ソラニンなどは水によく溶ける性質がありますので、少し日が経ったジャガイモを調理するときは、皮を厚めに切って、よく水にさらします。
又は十分に茹でてから、茹で汁を捨てればより安心です。
ジャガイモの保存法
ジャガイモは、保存場所が発芽に適した温度になると、どんどん芽を出してしまう野菜です。
ジャガイモの発芽温度は18~20℃ぐらいです。
品種によって発芽しやすいものと、しにくいものがあります。
できるだけ発芽させないで長く保存する方法はあるのでしょうか?
常温で15℃を超えるようになったら、発芽温度に達しない場所(冷蔵庫の野菜室など)に入れてください。
冷蔵庫に入れるときは、乾燥を防ぐために新聞紙で包みましょう。
また、芽を出させないようにするには、エチレンガスが効果的なので、家庭ではエチレンガスを発生する、リンゴを使ってください。

出典元:KAB
リンゴと一緒に保管することで、ジャガイモの発芽を抑えることができます。
でもやはり買ったら早目に食べて下さいね
家庭菜園では収穫期を守る
ジャガイモを自分で栽培している場合、「収穫期」は必ず守りましょう。
時期を過ぎたものは、美味しくないばかりか、中毒の危険があります。
また疲れや加齢などで、免疫力が衰えて来ると、他の人が食べても何ともないのに、自分だけが食中毒になってしまう事がありますので、日ごろから体力をつけ免疫力をつける事も大事ですね
みなさんも、これからの時期くれぐれも、食中毒にかからない様に充分ご注意下さいね
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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