真っ青な空とエメラルドグリーンの沖縄の海は、一度は泳いでみたい魅力的な海ですが、沖縄の海にはクラゲが大量に発生する時期があります。
クラゲは触手が長く、種類によっては数メートル離れた場所からでも、刺してくることがあります。
特に沖縄の海には、「ハブクラゲ」という、本州にはみられないクラゲが生息しています。
これは1メートル以上の触手を持ち、刺されると激しい痛みやショック状態を引き起こし、小さい子供であれば重症化してしまう可能性があります。
猛毒を持つハブクラゲは、刺されれば最悪の場合、死に至る恐れもあります。
この記事では、「沖縄の海でクラゲが出る時期は?刺された時の対処法」をご紹介します。
目次
沖縄の海でクラゲが出る時期は?
一時意識不明になった児童も… ハブクラゲ被害、名護市で2件発生 沖縄県が注意喚起 https://t.co/np86zDq5Ta #名護市 #ハブクラゲ #沖縄県 #動物 #海洋危険生物 #okinawa #沖縄
— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) August 16, 2023
沖縄の海でクラゲが出る時期は、大体7月から8月に餌を食べて、大きくなったクラゲが人を刺します。
毒のあるクラゲの種類
2023年8月11日、沖縄・名護市のビーチで泳いでいた女の子が「ハブクラゲ」に刺され、一時意識不明となりましたが、偶然居合わせた医師の手当で、幸い大事には至りませんでした。
沖縄県では、2022年クラゲに刺される被害が、105件あり特に7月~8月が73件と多く、このうち44件がハブクラゲによるもので、過去3人が死亡しています。
クラゲに刺されて命を亡くすなんて最悪ですね
ハブクラゲ

ハブクラゲの傘の直径は10~12cmで青みのある半透明のため、見つけるのが難しいです。
触手の長さは1.5m程で、蛇の仲間のハブ毒の数倍もの強い毒性を持つ、非常に危険なクラゲです。
ハブクラゲの発生時期と場所
5月~10月くらいに発生します。
沖縄、奄美諸島などの暖かい海に生息していて、本州では今のところみられません。
ハブクラゲに刺された時の症状
焼けつくような激しい痛みがあり、赤くミミズ腫れや水泡、最悪の場合は細胞破壊が生じることもあります。

また、重症の場合は、アナフィラキシーショックで呼吸困難になり、死に至る場合があります。
ミズクラゲ

水族館で見たことがあると思いますが、透明感のある可愛らしいクラゲです。
傘の直径は15~30cmで、傘の中に四葉のクローバーのような生殖腺が見えるため「ヨツメクラゲ」とも呼ばれています。
遊泳中に見かけるクラゲですが、刺されてもあまり痛くないので、気づかない場合も多いです。
ミズクラゲの発生時期と場所
ミズクラゲは一年中海にいますが、海にやってくる時期は6~8月が多いです。
日本中どこの海でもいます。
ミズクラゲの再生能力はハンパなく、若いポリプの時期はすり潰しても再生します。
ミズクラゲに刺された時の症状
ミズクラゲは、ハブクラゲの1/4程度の毒を持っていると言われてますが、刺されてもほとんど痛みは感じません。
顔などの皮膚の柔らかい部分を刺されたり、敏感な人はチクチクと感じる場合もありますが、ほとんどが無症状です。
ミズクラゲは釣りや海水浴で、よく見かける一般的なクラゲで、毒はあるものの弱いので、刺されても痛みを感じない場合もありますが、肌が敏感な人は痛みを感じることがあります。
アカクラゲ

アカクラゲの発生時期と場所
日本全国の沿岸に生息しており、春から夏にかけて多く見られ、毒素は強力。水深3メートル程度の浅瀬に漂ってて遊泳中に刺されることが多いです。
アカクラゲはミズクラゲと同様、一般的な種類なので見たことのある方も多いと思いますが、ミズクラゲより強い毒を持っています。
アカクラゲは傘の部分に、赤茶色の縞模様が16本入っています。
その下に約50本の「触手」が伸びており、なかには長さ2メートル以上の触手を持つ個体もあります。
アカクラゲに刺された時の症状
触手についている「刺胞(しほう)」という毒針に触れると、火傷を負ったかのような強い痛みが走り、ミミズ腫れや水膨れを引き起こします。
幸い一度で死に至るほどの強い毒ではないものの、アナフィラキシーショックで呼吸困難などに陥る危険性もあります。
またちぎれた触手にも注意が必要です!
クラゲの毒は触手の部分にありますが、触手の毒は本体から離れた後でも残ります。
釣りをしていると、クラゲの触手がラインや仕掛け等に絡むことがあるのですが、こちらを素手で取り除こうとすると、刺されてしまう事があるのでラインや、仕掛け等にクラゲの触手がついた時は、素手で取らないようにしましょう。
カツオノエボシ

2023年5月に沖縄県や神奈川県に漂着して、話題になったブルーの綺麗なクラゲです。
傘の直径は10㎝程で、青みがかった透明の綺麗なクラゲですが、非常に強い毒を持っているので危険です。
刺されると電撃を受けたような、激痛が走るため「電気クラゲ」とも呼ばれています。
触手は長さ10~50mくらいあり、これに触れると刺胞が発射されて刺されます。
命の危険もあるクラゲなので要注意です。
アカクラゲやミズクラゲとは違い、ナイロンの様なので、ビニール袋などと間違えて触ってしまうケースもあります。
東京湾や九州、大阪など日本各地で見られるため、海水浴の際には注意が必要です。
カツオノエボシの発生時期と場所
主に3~8月に発生します。普段は沖合にいますが、台風が接近した後や、強い海風が吹いた後に海岸に打ち上げられていることが多いです。
カツオノエボシとカツオノカンムリは、世界中の暖かい海に生息し、海水温が上昇する夏を中心に、季節風に乗って太平洋側にもたくさんやって来ますが、泳ぐ力はなく、強い海風が吹くと海辺に漂着することがあります。
陸に打ち上げられ、完全に死んでからでも、細胞が自動的に動いて触れたものを刺します。
刺されると、みみず腫れになって激痛に襲われます。
海に浮いている青い姿を見たら、最大50mの長い触手が近辺を漂ってるので、すぐに海から出ましょう。
カツオノエボシの刺された時の症状
毒は強烈で全身が電気に打たれたような激痛が走りその後、炎症を起こして腫れあがり、高熱が出る場合もあります。
また、傷跡がケロイド状態になって、何十年も残ることもあります。
こんな事が起きたら大変ですよね
痛みも長く続き、二度目に刺されるとアナフィラシキーショックを起こして、亡くなることもあります。
刺された時の対処法
沖縄では、ハブクラゲ侵入防止ネットが、張られている海水浴場で遊泳することが基本です。
対策はラッシュガード、スポーツタイツ、クラゲローションなどです。
日焼け止めをしっかり塗ることでも、触手が肌に直接触れるのを多少防げます。
それでも気になる方は、ワリセンを厚く塗ると、毒針が皮膚に届きずらくなります。
まとめ
クラゲの中でも刺されると、命にかかわる非常に危険なクラゲは「カツオノエボシ」と「ハブクラゲ」です。
刺されないための予防は、肌を出さないことと、露出部分にはクラゲローションを塗ることです。
基本的にはクラゲの少ない海や、クラゲ防止ネットが張ってある海水浴場で、泳ぐことが対策になります。
もしクラゲに刺されてしまったら、刺されたショックと痛みで溺れる危険性があるので、 まずは海から上がることです。
そして海から上がったら、刺された部分はこすらず、十分な量の“海水”で洗い流しましょう
水道水など真水を使うと、かえって症状が悪化するため、“海水で洗い流すこと”がポイントです!
その後は酢をたっぷり掛け(ハブクラゲの毒針の発射を止める働きがある )触手を手でそっと取り除き、痛いときは氷で冷やす。
それでも症状が治まらなければ、病院の受診をおすすめします。
万が一に備えて食酢や保冷剤を持参してください。
今年の夏もあとわずかですが、クラゲ対策をしっかりして、綺麗な沖縄の海で楽しい思い出をたくさん作って下さいね
