紀伊半島と言えば、岩に打ち付ける黒潮の荒波・枯れ木灘の景色がみごとですが、沿岸部だけでなく、山間部にも独特の美しい大自然が、感じられる景勝地があります。
この記事では、枯れ木灘沿岸や山間部の、景勝地をご紹介します。
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枯れ木灘海岸・恋人岬
和歌山県すさみ町の恋人岬では、珍しい婦夫波(めおとなみ)を見る事が出来ます。
婦夫波(めおとなみ)とは、恋人岬と陸の黒島の間の狭い海峡に、東西から打ち寄せ合う波のことです。
波が寄り添う姿からこう呼ばれ、波がぶつかりあって、高く立つことから沖の黒島・陸(おか)の黒島等、付近の景色は自然公園内でも、特に圧観です。
激しい海流が陸の黒島に当り、真二つに裂けた波が再びぶつかり合う様は枯木灘を代表する奇観です。
合掌波ともいわれています。
また、恋人岬の斜面では、厳冬期を除いてブーゲンビリアの花も見られます。
◇見頃:4月上旬~1月下旬頃
「陸の黒島」と少し沖に浮かぶ「沖の黒島」の美しい景観は、江須崎などとともに「すさみ八景」に選ばれています。
沖の黒島の西側には、「ガマ」と呼ばれる海中に続く洞窟があります。
ここは3月1日~4月30日、6月20日~10月31日の間、スキューバダイビングをすることができ、初級者でも楽しめるそうです。
また、ガマにはその昔、熊野水軍が財宝を隠したという、伝説が残っています。
※スキューバダイビング 問い合わせ先
クラブノアすさみ
〒649-2621
和歌山県西牟婁郡すさみ町周参見4857-74
TEL 0739-55-4511
私はすさみが故郷なんで見慣れてますが、初めて見る方は、波と波がぶつかり合うなんて、なんとも不思議な光景ですよね
古座川峡
紀伊山地の南端である、大塔山から注ぐ古座川を中心として、至る所に火山活動による奇岩が、立ち並ぶ「古座川峡」の情景はまさに秘境です。
幅500m、高さ100mの巨大な一枚岩(天然記念物)や、表面に無数の穴があいた蟲喰[むしくい]岩など、七川ダムから下流に向かって、約20kmも奇岩・怪石が続きます。
澄んだ清流には鮎などが生息し、カヌー下りのメッカとしても名高いです。
周辺は「古座川弧状岩脈」として、日本地質百選に選ばれています。
水は綺麗を通り越して紺碧に輝き、日本のクリスタルリバーと、呼ばれるほどです。
住所 | 和歌山県東牟婁郡古座川町 |
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TEL | 0735-72-0180(古座川町地域振興課) |
アクセス | 公共交通:JR古座駅→車5分で牡丹岩へ 車:紀勢道すさみ南IC(ハーフインター)から国道42・371号経由20km40分 |
駐車場 | なし |
古座川の一枚岩
古座川峡の代表的な景勝地「古座川の一枚岩」は、一枚の岩板としては日本最大級で、そそり立つ姿は圧巻の一言です。
春には200本の、染井吉野の桜が満開になり圧巻です!


<古座の一枚岩の基本情報>
アクセス:JR串本駅から車で40分
虫喰岩
古座川峡を下流に行くと、道の傍らに現れるのが「虫喰岩」と呼ばれる蜂の巣状の奇岩です。

この様に南紀の山間部では、太古の火山活動の跡が、しっかりと残っています。
串本の橋杭岩
串本から大島に向かって、南北におよそ900mにわたり、橋脚のような岩塔(橋杭)が直線状に配列しています。

これらは、およそ1500万年前に、地下から上昇したマグマが、熊野層群に貫入した石英斑岩の岩脈です
紀伊半島の隆起に伴い、波浪により熊野層群の泥岩や、砂岩はどんどん浸食される一方、石英斑岩ははるかに硬いため、所々で浸食、崩壊するものの、周囲から取り残され、橋脚状の岩塔が高くそそり立つようになりました。
また、橋杭岩に転がっている岩の中には、岩のそそり立つところから、かなり遠くにまで転がっているものもあります。
これらの岩が動くのには、秒速4メートル以上の速い流れが必要とされ、この地域で頻繁に襲来する台風から起こる波でなく、過去の大きな津波の時に、動かされたと考えられています。
この景観も初めて見る方には、不思議な光景にうつる事でしょうね
干潮時には岩のそばまで、歩いて行く事もできますよ
橋杭岩の伝説
昔、弘法大師が天の邪鬼と、串本から沖合いの島まで、橋をかけることが出来るか否かの賭けを行いました。
弘法大師が橋の杭を、ほとんど作り終えたところで、天邪鬼はこのままでは賭けに負けてしまうと思い、ニワトリの鳴きまねをして、弘法大師にもう朝が来たと勘違いさせました。
鶏の声を聞いた弘法大師は、橋の杭を作りかけで諦めて、その場を去りました。
そのため橋の杭のみが残ったと言い伝えられています。
交通 |
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☆公共交通 鉄道:JR紀勢本線「串本駅」下車。 徒歩約20分。 タクシーで約2分。 ☆自動車 |
樫野崎灯台
大島の東端、樫野の断崖に日本最古の、石造り灯台が今も活躍しています。
現在は自動点灯の無人灯台で、内部は非公開ですが、ラセン階段を登り、遠くは太地町の梶取崎まで見通すことができます。
また、園地内にはかつて常駐していたイギリス人技師が、故郷を思い植えたと言われる水仙が今も群生しており、冬には可憐な花が咲き乱れ、あたりは甘い香りに包まれます。
樫野崎灯台には、潮岬から橋を渡って行くことができます。
樫野崎という地は、かってオスマン帝国の、エルトゥールル号が難破して、日本がそれを救助支援した経緯から、日本とトルコの友好の地として知られています。
エルトゥールル号日本派遣の経緯
明治23年に日本に明治天皇に拝謁後、帰路の途中、熊野灘で台風にみまわれました。
船は強風にあおられ、串本町大島の樫野崎沖で座礁 してしまい、587名もの尊い命が犠牲になるという惨事が起きました。
その時69名の方達が、断崖から救い出され、住民の献身的な看護で命が救われました。
このことはトルコの教科書にも、記載されされるほどで、長く語り継がれています。
樫野埼灯台の上から眺める太平洋の景色は、雄大で心が洗われます。

<樫野埼灯台の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡串本町樫野
電話番号:0735-62-3171
アクセス:JR串本駅から車で45分
海金剛(うみこんごう)
所在地 | 〒649-3633 和歌山県西牟婁郡串本町大島 MAP |
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交通アクセス | (1)JR紀勢本線串本駅より熊野交通バス樫野灯台口行36分、樫野より徒歩15分 |
紀伊半島は気候は温暖ですが、台風がよく上陸しますし、冬には突風が吹くので、通学途中に色んなものが飛んでくる危険もありました。
小学生の時は、台風時に友人の家から帰ろうとしたら、橋がつかってしまい帰れなくなって、泣きそうになった思い出もあります。
高校生の時は汽車通学でしたが、朝6時頃の汽車に乗り、車窓から海から昇る朝陽を眺め、1時間かけてすさみ~串本高校迄通学してました
試験のある日は、汽車の中でゆっくり試験勉強ができました。
串本駅~高校まで徒歩でしたが、海辺で風が強いので、ひだスカートがめくれ上がるのを、抑えながら学校まで20分も歩くのが大変でした。
そして部活が終わって帰りの汽車の車窓から、水平線に沈む夕陽を見るのも日課でした。
その当時は海から昇る金色の朝陽も、水平線に沈む真っ赤な夕陽も、私にとっては日常でしたが、今となっては貴重な体験を、3年間させて貰ったと懐かしいですね

今になって紀伊半島には、こんなに素晴らしい景勝地があるのに、気づかなかった事が残念です。
今は倉敷で暮らしていますが、この地も気候が温暖で物価も安く、暮らしやすいので気にいっています。
太平洋の海は男性的で、岩に打ち付ける荒波が豪快ですが、瀬戸内海は女性的でとても穏やかな海ですね
瀬戸の夕凪と言う言葉がありますが、夕方になるとぴたりと波がおさまるのが不思議です。
瀬戸内海にも、景勝地が沢山ありますのでまたご紹介します。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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